- 育休からの復帰目前に会社から「復帰は難しい」と、突然言われた
- 復帰できないとなると、これからどうしたらいいの?
復帰する気だったのに会社からいきなり「復帰できない」と言われたらパニックですよね。
会社から復帰が難しいと打診されたら、復帰交渉と合わせてやるべきことがあります。
- 好条件での退職交渉
- 転職活動の開始(実際に転職するしないにかかわらず)
- 保育園の確保について、役所と交渉
復職拒否がある会社だと、復帰できても育児との両立に協力してもらえるか疑問ですよね。
育休明けに退職も復帰も経験したけど、会社との交渉には法律知識は必須。
この記事では、会社から復職拒否されて悩んでいる方がとるべき対処法について書いています。
この記事を読むとわかること
- 復職拒否されたらやるべきこと
- 自分にとってのベストが「復帰」「転職(退職)」のどれなのか
この記事を読むと、「不利な形での退職」が避けられますよ。
育休中の退職については、【復帰後3ヶ月で退職】育休中・育休明けに後悔しない退職をする方法もオススメ。
「席がない・戻れない」理由が「育休」なら違法の可能性が高い
育休取得後は、取得した職場に復帰することが大前提。
なぜなら、育児介護休業法において雇用が継続されるように規定されているから、です。
育児及び家族の介護を行いやすくするため所定労働時間等に関し事業主が講ずべき措置を定めるほか、育児又は家族の介護を行う労働者等に対する支援措置を講ずること等により、このような労働者が退職せずに済むようにし、その雇用の継続を図るとともに、育児又は家族の介護のために退職した労働者の再就職の促進を図ることとしています。
出典:厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし 第1条 この法律の目的
同時に、育休を取得による解雇や不利益な取り扱いについても規定があります。
育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働の制限、所定労働時間の短縮措置等、時間外労働の制限及び深夜業の制限について、その申出をしたこと又は取得したこと等を理由として行う解雇その他不利益な取扱いの意思表示は無効と解されます。
出典:厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし 不利益取り扱いの禁止
事業所が倒産して、職員全員解雇!のような「育休」と関係のない解雇理由はこの法律の対象外。
他にも、男女雇用均等法や労働基準法にも解雇について規定しています(労働契約の終了に関するルール:厚生労働省)。
育休からの職場復帰というのは、色々な法律で守られています。
これらの法律で育休を理由とした復職拒否や解雇は違法と規定されている以上、育休明けの復職拒否は「違法」に該当する可能性が非常に高い、と言えます。
「復帰させてもらえない」理由が、「産休・育休取得」によるものであれば違法の可能性が高い。
ただ、違法性を指摘するだけで復職できれば良いですが、それでも拒否されたり、そんな職場への復帰が嫌になったりすることも…。
次の章では、今の職場での復帰は難しいと判断した場合、次に取るべき行動について説明していきます。
復帰できない時の3つの対処法
復職を拒否された場合、違法性など指摘して復帰しても、会社が育児に協力的ではない可能性もありますよね。
会社からの復職拒否があったら、退職と転職、保育園について検討する
なぜなら、拒否している段階で会社側はあなたが復帰しやすい環境作りをしておらず、復帰しても結局、退職せざるを得ない状況に陥る可能性が高いから、です。
- 復帰後、時短を取ることに嫌味を言われたり、時短の時間でなかなか帰れない
- 保育園からの呼び出し時など嫌味を言われる
育児に理解がない職場では、肩身も狭く精神的にも仕事を続けることが苦痛になってしまいます。
そのため、会社に復帰できない場合の対処法として3つ方法をご紹介します。
- 好条件での退職交渉
- 転職活動の開始(実際に転職するしないにかかわらず)
- 保育園の確保について、役所と交渉
復職交渉と合わせて行うことになりますが、育児との両立を考えたときにはずせない3つのポイントです。
不利な退職に追い込まれないように、落ち着いて取り組みましょう。
次の項目から3つのポイントについて解説していきます。
①好条件での退職交渉
会社側が経営難などでどうしても復帰が難しい場合、復帰を交渉するよりも有利な条件で退職し、その後転職のほうがいい場合もあります。
- 退職理由は「会社都合」
- 退職金規程がある場合は、規定通り支給
- 一度復職扱いとし、育休明けと同時に有給消化開始。
というのも、転職するときに有利な条件が揃うから、です。
突然の「退職」となると、今後の収入が途絶えたり、保育園利用が難しくなったりと不安要素がたくさんありますよね。
- 会社都合だと、雇用保険の基本手当(失業保険給付)が早めに出るので「転職までの時間とお金の確保」ができる。
- 復帰する意思はあったのに、会社側から復帰を断られたため転職活動している、という「転職する明確な理由」ができる。
- 一旦復職扱いとすることで「保育園の確保」ができる。
このように、転職先が見つかるまでなんとか生活をやりくりすることができます。
転職先を見つけるには、時間と保育園の確保は必須。
ただ、一方的にこちらの条件を伝えてしまうと会社側も態度を硬化してしまいます。
交渉は難しいですが、不利な条件での退職を避けるためにも取り組んでいきましょう。
どうしても復帰が難しい場合は、「好条件での退職」をする方向に切り替える
退職については、【復帰後3ヶ月で退職】育休中・育休明けに後悔しない退職をする方法もオススメです。
会社都合ではなく「自己都合」にされる理由
会社へ復帰を断られ「退職」することを決意した場合、会社側から「自己都合」扱いされることがあります。
自己都合ではないので「会社都合」に必ずしてもらう。
なぜなら、「自己都合」だとデメリットが多いから(会社にとってはメリット)です。
会社が「会社都合にしたくない理由」
- 一部の助成金が受けられなくなる
- 解雇予告手当金を請求される可能性がある
- 会社自体のイメージダウン
- 裁判の可能性
そのため、「退職」となると会社は「自己都合」として扱おうすることもあります。
- 雇用保険の基本手当(失業給付)が受け取れるまでに2ヶ月間の給付制限があり、給付日数も少なくなる
- 保育園に「保育の必要性なし」とされ、保育園がキャンセルされる可能性がある
また、本来は「会社都合」なのに「自己都合」として離職票に書かれてしまった場合は、ハローワークで対応してもらえます。
提出の際に自分で不服であることを申し出しよう!しないと、「自己都合」のまま受理されて損するよ。
実際の退職理由は、解雇であるにもかかわらず、離職票には、自己都合退職と記載されている場合など、実際の退職理由と離職票の記載が異なる場合は、雇用保険(基本手当)の受給の手続時に、住居所を管轄するハローワークの担当者へその旨お伝えください。なお、手続時に、離職理由を証明する書類等があれば、お持ちください。
ハローワークにおいては、本人の主張、証拠書類と事業主の主張等を確認の上、離職理由を決定することとなります
出典:厚生労働省 基本手当・再就職手当
自分のメリットが少ないため、安易に「自己都合」として了承しないことが大切です。
「会社都合」なのに「自己都合」とされた場合は、ハローワークで説明して会社都合に修正してもらう
②転職活動の開始(実際に転職するしないにかかわらず)
復職拒否をされた場合、本当に復職できないかを会社と相談することになります。
が、一旦会社も「拒否」している手前、簡単に覆すこともあまり期待できず、時間ばかり過ぎ去ることがあります。
転職する、しないに関わらず、まずは転職活動を始める
なぜなら、転職先を見つけるには時間がかかるため、転職を決意してもすぐには転職できないから、です。
- 復職できなかった場合、そこから転職活動を始めるとなると、転職先が決まるまで余計な時間がかかる
- 復帰できたとしても、育児との両立支援がされず、結局退職→転職となる可能性が高い
一度拒否されている以上、あまり両立支援は期待できないよね。
転職を考えるとなると、流れとしてはおおまかに5つのステップがあります。
- 自分の希望する働き方などの洗い出し
- 就職先を探し応募
- 就職試験
- 試験合格後、雇用条件を確認
- 就職を決定
ステップも多いですが、特に「洗い出し」「転職先探し」はとても時間がかかります。
時間短縮や効率性を考えると、転職サイトやエージェントの利用は費用対効果が高い。転職するかしないかわからないので、無料のものを利用しよう。
早めから手を打っておき、収入が途絶えることがないように準備していきましょう。
復職相談と転職活動は、時間節約のためにも同時に進める
詳しい転職活動については、こちらの記事がオススメ→【転職初心者向け】育休明けの転職を成功に導く転職活動の始め方
③保育園の確保について、役所と交渉
育休明けに復帰を考えていれば、保育園の利用申請は欠かせないですよね。
保育園の利用については、すぐに役所へ相談
というのも、保育の必要性がなくなったと判断され、保育園入園が見送られる可能性があるから、です。
転職活動をするにも「保育園の入園が決定している」ことは重要です。
- 保育園が内定している場合
- 申請時と状況が変わったが(求職中として)予定通り利用できるのか
- (解雇であっても)復帰できないと内定は取消されるのか
- 転職先はいつまでに決まれば、保育園は継続利用できるのか
- これから申請する場合
- 解雇になりそうな場合、「求職中」として扱われるのか
これらを自治体に確認する必要があります。
保育園の利用については、各自治体ごとで転職時の取り扱いなど細かく異なっています。
退職した場合は、基本的に保育園は退園になります。退職後、求職活動をする場合は、退職日から3か月以内に就労を開始してください。(退職日から3か月以内に勤務を開始されない場合は退園となります。)
東京都中央区ホームページ
東京都中央区では、退職=退園とされていますが、求職活動により3ヶ月の猶予があります。
このように自治体ごとに猶予期間や取り扱いが異なるため、自分の住む自治体に必ず確認する必要があります。
保育園は「保育に欠ける必要性が必要」なので、退職前に確認する必要があります。
退職後だと、保育に欠ける必要性の必要度が下がり、入園に不利になります。
復職するにしても転職するにしても、「保育園の確保」はとても重要なので忘れずに対応する必要があります。
保育園の利用については、復帰拒否された時点で自治体へ相談しておく
育児と仕事の両立のためにやるべきこと│まず行動して冷静になる
今まで働いた会社から拒否されると「これからどうしよう」と、不安でいっぱいになりますよね。
まず行動して、今やるべきことに集中する
なぜなら、今行動するかどうかで自分の将来が大きく変わるから、です。
- 継続的な自分の収入が絶たれるリスク
- 雇用保険の基本手当(失業給付)が本来もらえる日数より少なくなるリスク
- 保育園が退園となるリスク
行動せずにそのままにしていると、このようにあとからデメリットに気づき、余計慌てることになりかねません。
失業保険や保育園など、期間が限定されるものもあり、すぐに行動しないとあとから対応出来ないものもあります。
まずは目の前のやるべきことをこなしていき、確実に前にすすんでいきましょう。
やることが整理されていると、「これをやればいいんだな」と気持ちも落ち着き、冷静に対処できます。
退職交渉・転職活動・保育園の手続きなどやるべきことに集中する
【体験談】復帰?転職?育休中に復帰後の働き方を見直す4ステップ
まとめ│復職拒否されたときは、復職・転職(退職)も合わせて検討する
今回は、復帰したいのにできない場合の3つの対処法、についてお伝えしました。
- 好条件での退職交渉
- 転職活動の開始(実際に転職するしないにかかわらず)
- 保育園の確保について、役所と交渉
この3つにすぐに取り組むことで、復職もしくは育児との両立ができる職場への転職が可能になります。
復帰交渉と3つの対処法は同時進行になります。
取り組みの中で、自分にとって「復帰」と「退職(転職)」のどちらがいいのかも見えてきます。
気持ちは落ち込みますが、時間的制約もあり効率的にこなしていかなければなりません。
自分一人では難しい場合は、転職エージェントなどを利用して転職の方はお任せし、自分は会社とのやり取りに専念するなどで乗り切っていきましょう。
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