【育休復帰後の社会保険料や税金】育休明け最初の給料が少ない理由

(育休復帰後の社会保険料や税金)育休明け最初の給料が少ない理由

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  • 育休復帰後の最初の給料はどれくらいになる?
  • 育休後は社会保険料や税金って、どれくらい引かれる?
  • 復帰後の賞与はどうなる?

育休からまもなく復帰となると、給料や税金がどうなるのか、気になりますよね。

職場に確認できればそれが一番間違いないですが、「お金の話」だけで連絡するというのは少しハードルが高い…。

そこで、実際に育休を3回取得した私が「育休復帰後はどれだけ収入が減るのか。社会保険料や税金はどうなるのか」について解説。

育休復帰後の給料は、予想以上にかなり低い(時短なら約3割減)です。

さらに初回の給料となると、そこからさらに低くなります。

ただ、場合によっては「申請」だけで手取りを増やしたりできる制度などもあります。

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知らないと単純に「損」しちゃうので、制度はうまく活用!

この記事ではこんな事がわかるようになります。

  • 育休中~復帰後の社会保険料(厚生年金・健康保険)がどうなるか
  • 最初の給料が低い4つの理由
  • 社会保険料を節約する方法

この記事を読むと、復帰時の収入がどの程度になるのか目安をたてられるようになります。

目次

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育休明け最初の給料が少ない理由

育休明け最初の給料が少ない理由

育休からの復帰すると日々の生活に追われ、給与のことについてまで気が回らないですよね。

そのため、最初の給料を受け取ったときにあまりの少なさにショックを受けることもあります。

最初の給料が少ないのは、収入の減少と社会保険料が以前の給与計算のまま引かれていること、が大きな要因

と、いうのも給与日までの労働日数が少ないことと、社会保険料徴収の仕組みが原因です。

最初の給料は復帰日から給与の締め日までの期間に対して支給されます。

この期間が短いほど、そもそもの支給対象日が少なくなるため、最初の給料は少なくなる要因の一つです。

ただ、少なくなる要因はこれだけではありません。

  1. 時短やパートなど労働時間の減少による収入の低下
  2. 社会保険料の徴収は復帰月から天引きが再開
  3. 住民税の特別徴収(天引き)の再開
  4. 職場特有の控除が月単位で引かれる

少ない収入の中から、月単位で天引き徴収されるものが多いため、手取り自体が非常に少なくなります。

次の章からは、上記で示した収入の減少と3つの控除について解説していきます。

①時短やパートなど労働時間の減少による収入の低下

時短やパートなど労働時間の減少による収入の低下

育児との両立を考えて「時短」を選択したり、パートへ雇用形態を変更したり、と働き方を変えることもありますよね。

労働時間が減る分、給与は当然減額されるとわかっていても最初の給与はどれくらいなのか気になるところ。

(基本給×実労働時間÷所定労働時間)+各種手当て=時短時の目安給与

時短を選択した場合、労働時間分の賃金をカットする会社が大半のため、このような計算式となります。

さらに、最初の給与は給与算定期間の途中からの復帰であることが多く、ここから育休取得していた期間分給与が減額されます。

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時短で下がったひと月の給与額から、さらに働いていない期間分(育休期間)引かれるってことだね。

8時間勤務から6時間勤務へ変更した場合、25%の労働時間減少のため、給与も25%減る、というのが一つの目安。

基本給が20万円、職務手当2万円、8時間労働を6時間へ時短で復帰の場合。

200,000×6÷8+20,000=170,000(円)これが時短時の基本給に該当します。

さらにここから、育休期間に該当した期間分の賃金が引かれます。

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労働日数が少ないことと、労働時間が減ることによる総支給額の低下の2つの要因で、最初の給与は支給額自体が低くなる

時短勤務の給与規定について、もっと詳しく知りたい人は【育休明けは時短勤務?フルタイム?】自分にあった復帰方法の決め方で解説しています。

また、時短ではなくパートへ雇用形態を変更した場合。

時給×労働時間=給与、となるため、働いた時間分だけの支給になります。

時短同様、給与日までの労働時間が少ないため、最初の給料はとても少ない支給となります。

最初の給与は、労働時間の短縮による収入の減少給与日までの労働日数や時間が短いことによる収入の低さの両方の要因から、支給金額自体とても少ない

【育休明けに正社員からパートに変更?】損しない雇用形態の選び方

フルタイム復帰でも最初の給料は少ない

フルタイム復帰でも最初の給料は少ない

フルタイム復帰の場合だと、時短やパートに比べると収入は減らない印象がありますよね。

フルタイム復帰でも最初の給料は少ない

というのも、給与期間の途中復帰となると、フルタイムでも働いていない日数分減額支給されることが大半だから、です。

さらに、子供の呼び出しなどで早退があると、その分労働時間が減り給与が減額される可能性もあります。

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復帰後すぐの呼び出しは覚悟!
有給や「看護休暇」をうまく使おうね。

看護休暇など育休明けの公的制度については、【育休明けは時短勤務?フルタイム?】自分にあった復帰方法の決め方で詳細を解説

そのため、フルタイム復帰でも、結局時短復帰と同程度しか働けなければ時短復帰と同程度の給与となることもあります。

フルタイム復帰でも最初の給与日までの労働日数が少ないこと、突然の早退などで最初の給与は少ない

「育児」を理由にした給料減額は違法

「育児」を理由にした給料減額は違法

今までと同じように働けないから、と復帰後の給与を減額されると言われた…

復帰後は保育園からの呼び出しなどがあり、満足に出勤できないなど、会社に迷惑をかけることもあります。

そのため、「子供がいるから以前同様に働けない」ということで、給与の減額にも応じてしまいそうになるかもしれません。

「育児」を理由にした給与の減額は、違法の可能性が高い

というのも、育児介護休業法において時短など育児のための制度を利用することによる不利益取り扱いは「無効」として規定されているから、です。

育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働の制限、所定労働時間の短縮措置等、時間外労働の制限及び深夜業の制限について、その申出をしたこと又は取得したこと等を理由として行う解雇その他不利益な取扱いの意思表示は無効と解されます。

出典:厚生労働省 育児・介護休業法のあらまし 不利益取り扱いの禁止

時短の場合、働いていない部分のカットは問題ありません。

が、働いた部分の給与を「子供がいて十分に働けない(だろう)」として引き下げることは出来ません。

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会社から提案があっても、給与の引き下げは簡単にOKしないようにね。

もし、了承してしまったとしても、育児介護休業法によりそもそも契約自体が無効(法律効果が発生しない)と判断される可能性が高いため、再交渉する余地はあります。

ただ、育休明けに給与の減額や降格などを提案してくる会社は、育児と両立できる場所なのか、ということも考える必要があります。

  • 違法とわかった上で提案している会社なのか
  • 法律知識がない会社なのか

いずれにしても、自分が働く上でデメリットが大きくなりそうであれば転職も視野に、しっかり会社の対応を確認しておきましょう。

②「社会保険料(年金・健康保険)」の徴収は復帰月から再開

「社会保険料(年金・健康保険)」の徴収は復帰月から再開
  • 復帰後はいつから社会保険料は引かれるの?
  • 金額はどうなる?

給与から天引きされるものの中でも金額の大きい社会保険料。

復帰後の給与からどれくらいの金額がいつから引かれるのか、気になるところですよね。

給与から天引きされる社会保険料としては、厚生年金・健康保険(40歳以上なら介護保険)があります。

社会保険料は初回の給料から、復帰前と同じ金額が引かれる

なぜなら、社会保険料の免除は「育休の終了予定日の翌日が属する月の前月まで」だから、です。

育休の終了予定日の翌日が属する月の前月まで、の考え方

例①)復帰日が1月31日の場合。

  • 育休終了予定日は1月30日。その翌日は1月31日。
  • 以上から、育休終了予定日の翌日が属する月は1月が該当。
  • 前月は12月となり、12月まで社会保険料が免除となる。

例②)復帰日が2月1日の場合。

  • 育休終了予定日は1月31日。その翌日は2月1日。
  • 以上から、育休終了予定日の翌日が属する月は2月が該当。
  • 前月は1月となり、1月まで社会保険料が免除となる。

上の例①だと、1日だけ復帰したことで社会保険料が満額天引きされ、給与がマイナスになる可能性も出てきます。

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上の例のように、復帰日が1日違うだけで「社会保険料免除期間」に差が出るよ。社会保険料のことを考えるなら、月始めがオススメ!

ベストな復帰日については、【育休から早めに復帰】いつがベスト?失敗しない復帰日の決め方で解説。

また、社会保険料の金額については「育休取得前の給与」がベースで計算されるため、収入自体が下がった場合は「給与と見合わない高い金額」になっています。

収入が下がった場合は、自らの申請で社会保険料の見直しができる

社会保険料の減額については、「時短勤務者は社会保険料の減額が可能」の章で解説しています。

社会保険料は初回の給料から、復帰前と同じ金額が引かれるため、復帰日には要注意

③住民税の特別徴収(天引き)の再開

住民税の特別徴収(天引き)の再開
  • 税金はどれくらいの額が給与から引かれる?
  • 手続きはなにか必要になる?

育休中は社会保険料免除、給与収入もないので所得税もかかりませんが、住民税は支払う必要があります。

復帰の際、住民税の取り扱いや手続きの有無など気にはなっても、会社側にお任せしたまま、になってたりしますよね。

住民税の金額は育休中と同金額。自分が行う手続きはなく、最初の給与から天引き(特別徴収)が再開。

なぜなら、住民税は前年の1月1日~12月31日までの所得により決定され、育休取得の有無で変化しないから、です。

また、従業員の給与から住民税を天引きし、個人の税金を会社がまとめて市町村へ納付する義務が定められているため、すぐに天引きが再開されます。

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地方税法で定められてるので、普通徴収(個人で納付)は選択できません

例えば、札幌市ではこのように述べています。

個人住民税の特別徴収とは

給与の支払者が、個人住民税の納税義務者である従業員に代わって、毎月支払う給与から個人住民税(市民税・道民税)を特別徴収(天引き)し、各従業員の居住する市町村に納入していただく制度です。

なお、特別徴収する税額については、市が送付する「市民税・道民税特別徴収税額の決定・変更通知書」でお知らせいたしますので、税額計算を行っていただく必要はありません。

所得税の源泉徴収義務がある給与支払者は、原則として、従業員の個人住民税を特別徴収することが法令により義務付けられています(地方税法第321条の4及び札幌市税条例第33条の2)

出典:北海道札幌市ホームページ 個人市・道民税(住民税)の給与からの特別徴収について

金額に変更はないものの、最初の少ない支給額から1ヶ月分引かれることで手取りはさらに少なくなります。

また、個人住民税は、所得割(前年の所得に応じて計算)+均等割(定められた一定の金額)で計算します。

少し複雑になるので割愛しますが、気になる方は、総務省ホームページ 個人住民税のページで確認してみてください。

復職とともに住民税(育休時と同額)の天引きが再開される(自分でやる手続きはなし)

④職場特有の控除が月単位で引かれる

職場特有の控除が月単位で引かれる

職場によりますが、詰め所費や福利厚生費などの名目で毎月控除されているものはありませんか?

職場特有の控除は、月単位が多い

理由は単純に、日割りにすると会社側の負担が大きいから、です。

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日割りにすると育休だけでなく、病欠など色んなパターンの人に適応させる必要が出てくるよね。

そのため、大体の会社では福利厚生費などの名目の控除は日割りはせずに、月割として控除していることが多いです。

育休復帰時も一ヶ月分引かれることになるため、さらに手取りは少なくなってしまいます。

ただ、時短復帰の場合は社会保険料の減額により手取り額をなるべく減らさずにすむ方法があります。

次の章では、その方法について紹介していきます。

時短勤務者は社会保険料の減額が可能

時短勤務者は社会保険料の減額が可能

時短勤務で復帰した場合、給与は減るのに社会保険料は以前の給与と同額引かれるとなると、正直厳しいものがありますよね。

時短勤務者は、社会保険料の減額が可能

というのも、時短勤務者に限り復帰後3ヶ月の給料をもとに4ヶ月以降の社会保険料を見直す、という手続きがとれるから、です。

育児休業終了日の翌日が属する月以後3カ月間に受けた報酬の平均額に基き、4カ月目の標準報酬月額から改定することができます。

出典:日本年金機構
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「改定することができる」なので、手続きを取らないとそのまま高い社会保険料を収め続けることになるよ。

手続きは、会社から年金機構に「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出してもらうのみ。

自分でやることは「会社への申請」のみです。

下がった報酬に合わせて、社会保険料の見直しをやり直してくれる制度なのでぜひ活用しましょう。

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社会保険料が下がるデメリットは将来の年金受取額の減少。ただ、それも手続きのみで対応可能!

詳細は【育休明けは時短勤務?フルタイム?】自分にあった復帰方法の決め方で解説しています。

パート勤務者の社会保険料

パート勤務者の社会保険料

社会保険料が高いから、配偶者の扶養に入って手取りを増やすことはできる?

育休復帰と同時に働き方をパートに変更することもありますよね。

その場合、「扶養」についてがどうなるのか気になるところ。

配偶者の扶養に入って手取りを増やすなら、年収は103万円まで

というのも、年収103万円に制限すると「自分の所得税が非課税」「社会保険料の負担がない」から、です。

扶養の考え方は2種類あります。

  • 社会保険上の扶養
  • 税制上の扶養

社会保険上の扶養については130万円の壁というのもよく聞きますよね。

2022年10月に社会保険適用の拡大により年収106万円から社会保険加入対象が広がりました。

年収106~130万円の範囲だと一番損をする可能性が高いです。

また、税制上の扶養において「自分の所得税が非課税」になるのは年収103万円までです。

社会保険上と税制上の扶養の両方を満たす金額が年収103万円

もう少し収入を増やした場合や、扶養制度についてもっと詳細が知りたい場合は、【育休明けに正社員からパートに変更?】損しない雇用形態の選び方で解説しています。

育休期間がある場合の賞与(ボーナス)

育休期間がある場合の賞与(ボーナス)
  • 復帰後の賞与って支給される?
  • 金額的にはどれくらい減額されるの?

復帰後、賞与は支給対象になるのか、金額はどうなるのか、とても気になりますよね。

賞与の査定期間の労働時間に応じた賞与が支給される可能性が高い

というのも、賞与は労働基準法などで保護されているものではなく、各就業規則によって定められているから、です。

時短正社員で賞与の対象者の場合は、働いていない分をカットして支給、としているケースが多いようです。

例)賞与の支給が6月・12月の年2回の場合
  • 6月の賞与査定期間は、12月~5月
  • 12月の査定期間は、6月~11月
  • 勤務時間は8時間から6時間の時短に変更

上記の場合、4月に育休復帰すると、6月の賞与は支給対象になります。

支給額は、満額支給額×3分の1(2ヶ月分)×0.75(時短分カット)

支給額の理由

  • 6月の賞与は、査定期間内の労働した期間のみ(4月・5月)支給→この場合2月分
  • 時短で労働時間が減少しているので、賞与も25%カットして支給(8時間から6時間へ25%分労働時間が減少しているため)
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ほかにも、査定期間の3分の2以上の出勤で支給などの規定をしていることもあるので、就業規則を確認!

このように、支給されてもかなりカットされての支給になる可能性が高いのが現状です。

賞与は就業規則に則った形で支給。大体は労働していない分を減額して支給が多い

まとめ│育休明け初回の給料は期待しない

育休明け初回の給料は期待しない

今回は、育休明けの初回給料が低い理由についてお伝えしました。

  • 総支給の低下
  • 社会保険等の控除の開始

これらにより、初回の給料はとても低い金額となります。

復帰後、育児と仕事の両立のため日々忙しくしているのに、少ない手取りを見るとガッカリしてしまいます。

社会保険料を節約する方法としては、

  • 時短復帰の場合は「育児休業等終了時報酬月額変更届け」の提出
  • パート復帰の場合は、扶養対象範囲内での労働

などで、できるだけ負担を減らすことができます。

申請等で支払いの負担を軽く出来るものはどんどん利用して、両立できるように頑張っていきましょう。

給料以外にも職場復帰の情報が欲しい、という方にはこちらの記事もオススメです。

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この記事を書いた人

30代で結婚→出産(2年おき3回)→育児中(今ココ)。子供が生まれてからは、自分と夫中心から子供中心生活へシフト。保健師時代は、乳幼児健診・保健指導など赤ちゃんと親に関わる業務に従事。現在、中堅看護師ワーママ。3人子育てしつつも、いかに手を抜き自分時間を作るか、を常に考えてる。3回の育休取得(うち、1回転職)歴あり。3回の育休体験から、育休中からの自分らしい働き方について発信してます。
旅行大好き。子連れ旅行もこれからどんどん行きたい!
【今までの所有資格】
看護師・保健師・介護支援専門員・FP2級、3級・メンタルヘルスマネジメント検定2種等々 

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